高原淳写真的業務日誌 > 味覚改革 > 食旅・パース編 > 食旅・パース編【4日目】 Tボーンステーキ

食旅・パース編【4日目】 Tボーンステーキ

食旅・パース編【4日目】 Tボーンステーキ

おはようございます。
 目的地はバッセルトンと決まった。フリーマントルから220キロ、車で2時間20分ほど。帯広から札幌へ行くようなものか。楽勝の移動距離。だが、睡眠不足と強烈な日差しのため眠気に襲われる。仮眠したらスッキリした。途中のロッキングハムで買い物。短パン、Tシャツ、サンダル等を購入。ここでは寿司と海苔巻きも手に入った。ちょうどご飯を食べたいと思っていたところ。海辺で昼食。

さらに南下すると、次第に涼しくなってきた。フリーマントルは完全に夏だが、南のほうはまだ春を感じさせる。午後4時、バッセルトンのモーテルに到着。2LDK。リビングがやけに広い。その割にはシンクが小さい。コンロが4口あって、料理には好都合だ。
 食材を買いに行く前に、スカイプで同友会とかち支部と交信。11月5日の四役会に備えてのテスト。通信状況も音質もバッチリ。安心して買い物へ。調味料、油、洗剤に関していえば、旅行者用にピッタリなサイズがほとんどない。洗濯用洗剤は液体1リットル入りを選択。食器用洗剤は通常サイズ。旅行にはこの1/10くらいの分量で十分なのだが。
 7時頃になって料理を作り始める。ようやくオーストラリア旅行に来たような気持ちになってきた。僕はTボーンステーキに集中。M氏はトマトソースを作り始める。
 スーパーで購入したTボーンステーキ用の肉は真空パックされていた。こういう売り方はあまり見たことがない。鮮度を保つにはよさそうだ。僕は最初からペッパーステーキにしようと決めていた。肉の両面にコショウをまぶす。前日にものすごくコショウの利いたサラミを食べたため、やや控えめな分量となる。続いてオリーブオイルをまんべんなく塗る。常温に戻してから焼くのが基本だが、待ってはいられない。パスタの完成時刻に合わせて焼き始める。

久しぶりにガスレンジを使った。マッチで火をつけるタイプ。特に難しくはないが、このマッチ、なかなか火がつかない。しかも箱の中には数本しか入っていない。何度もこすって、頭の部分が剥がれかけた頃、ようやく火がついた。
 まずはスライスしたニンニクを炒め、それから肉を投入する。強火で片面3分ずつ。ちょうどよい焦げ目がついている。期待が高まる。

僕の計算ではパスタの茹で上がりとステーキの焼き上がりが同時のはずだったが、パスタがなかなか柔らかくならない。外袋には茹で時間5分と書いてあった。実際には10分くらいかかった。待ちきれず、Tボーンステーキを食べ始める。素晴らしい味。目を閉じて味わう。
 素晴らしい味に出合ったとき、人はどうして目を閉じてしまうのか? たぶん、目から入る情報をシャットアウトして、できるだけ舌や口の中に集中したいと思うからなのだろう。同じ理由だと思うが、本当においしいものを食べているときには、無口になる。誰もがそうだというわけではないが、少なくとも僕は無言となる。言葉は会話とならず、独り言となるのが常だ。
 最高の味を最高の状態で食べるには、目を閉じ、耳を塞ぎ、会話をせず、ひたすら舌先に意識を集中させるのがよいのではないか? だから、好ましいコミュニケーションを求めて料理をつくったり、誰かと外食をするには、最高よりも若干下の味に仕上げるべきではないか……。僕の勝手な考えだが、結論としてはそのようになる。昨夜、Tボーンステーキを食べている瞬間、僕は世界でただひとり存在している人間であるように感じられた。

昨日は1キロの米を購入した。このサイズ感は旅行者向け。米を食べることの少ないオーストラリア人にとってもちょうどよいサイズなのだろう。昨夜は料理をつくりはじめる時間が遅くなったため、ご飯を炊くのは断念した。今日は5合くらい炊いて、半分はおにぎりにしようと思う。寿司ブームなのか、スーパーには日本の酢、海苔、ガリが売られていた。残念ながらかつお節や梅干しはなかった。つくるのは塩むすびとなりそうだ。

〒080-0046 北海道帯広市西16条北1丁目25
TEL.0155-34-1281 FAX.0155-34-1287

高原淳写真的業務日誌