おはようございます。
出版物2冊の修正作業。プレゼンの準備。午後はスロウ編集会議。10日後に迫った東京出張の宿を予約し忘れていた。幸い、目的地近くの宿が空いていた。仕事のほうは遅れ気味。またしても週末に食い込んでしまった。
ものすごくやる気のある人
北海道中小企業家同友会の各支部で経営指針研究会が開催されています。とはいえ、各地の実施状況には温度差や中身の違いがあるようです。僕はとかち支部の経営指針研究会しか知りません。他支部ではどのように行われているのか、気になるところです。
研究会を運営しているのは各支部の経営指針委員会。委員会の充実具合度が研究会の質に反映される。したがって、各支部経営指針委員会の充実が急がれるわけですが、それぞれ事情があって、そう簡単にいくわけではありません。
とかち支部の経営指針委員会は年々層が厚くなってきています。研究会を修了した研究生が次年度の委員になる、というパターンが増えてきている。経営指針委員会の活動に意義を見いだしてくれているのでしょう。委員になると、自社の経営指針を定期的に見直さねばならないという自覚も高まる。自社をよりよい会社にするためにも、経営指針委員として関わり続けることが望ましいでしょう。
経営指針研究会の充実が先か、経営指針委員会の充実が先か? 僕の考えでは、経営指針委員長の他に、もうひとり「ものすごくやる気のある人」が出てくることが重要。そのような人に共通しているのは、「経営指針のおかげで命が救われた」とか「自社がものすごくよくなった」といったこと。
「命が救われた」というのは大袈裟なことでも何でもありません。僕のまわりにも、そうした人が何人もいます。藁にもすがる思いで経営指針研究会に入会した……という話をときどき聴くことがあります。
ものすごくやる気のある人。それは、「ものすごく向上心のある人」か「ものすごく追い詰められている人」のどちらかなのです。ちなみに、僕は後者のパターンから経営指針に関わるようになりました。10数年前の話ですが。
活発な会の運営にはトップの他に最低ひとり、ものすごくやる気のある人の存在が欠かせません。経営指針委員会でいえば、委員長の他にもうひとり必要。支部によっては、委員長が孤軍奮闘という状態のところもあるようです。どうすれば2人目が現れるのか? これは経営指針委員会だけではなく、自分の会社にも当てはまると捉えるべきかもしれません。
ある程度の規模の会社、あるいはもともと社風のよい会社の場合、すでに「ものすごくやる気のある人」が存在するかもしれません。ただ、ほとんどの人は自分の関心分野にはやる気十分でも、会社全般に対しての関心は薄いというのが現実でしょう。経営者的視点を持つことのできる人は極めて稀なことではないかと思います。責任あるポジションに引き上げることによって、ようやくポジションにふさわしい視点を持つようになっていく。僕の場合もそうでした。ですから、会社組織の場合は役職というものが大きな意味を持つことになります。
「ほどほど」からの脱皮
3月1日に行われた全道経営指針委員会一泊研修交流会で、「おっ!」と思うことがありました。その人は後継者というポジションなのですが、今の経営者の子供とか親族というわけではありません。なぜナンバー2になったのか? それは入社試験の面接の際、「将来、社長を目指す」と言い切ったからなのだそうです。僕は密かに感心しながら聴いていました。
追い詰められてやる気に火がつく人もいれば、入社前から火がついている人もいる。どちらもアリでしょうが、どうせなら、最初から「ものすごくやる気のある人」であることが望ましい。こうした人が社内にいると、非常に心強い。また、各支部の経営指針委員会にいると、目に見えて活性化していくことでしょう。
トップの役割は、「ものすごくやる気のある人」に活躍の場を提供することです。ものすごくやる気があるわけですから、こちらが提供しなくても、自分で場づくりしてしまうかもしれません。その場合は承認する、サポートに回るといったことが必要ですね。若さゆえの暴走もあるでしょうから、完全に目を離すわけにはいきません。
やる気はあるものの、まだ火がついていない、あるいは不完全燃焼を起こしている……といったタイプの人もいます。こういう人は非常に多い。企業経営者の中にもいます。能力も時間もあるのに、なかなか役を引き受けないといったタイプの人。かといって、やる気がないわけではなく、そこそこ協力的であったりもする。
こうした「そこそこ」「ほどほど」タイプの人をどのようにやる気にさせるのか? 自社の経営では、多くの経営者がほとほと困っている点ではないかと思います。
しかし、あるときハタと気づくのです。経営者である自分自身がものすごくやる気になっていたときはどうだったのか? 何人か、周囲に火がついている人がいたのではないか? 自社の現状が「ほどほど」というレベルにあるとすれば、今の自分が不完全燃焼だからに他ならない。10年前の体力を取り戻すことは困難かもしれませんが、10年前のやる気は取り戻すことができるはず。そんな気づきから経営指針づくりにチャレンジ(または再挑戦)する人もいることでしょう。
やはり、誰かが突き抜けなければ現状を変えることはできないでしょう。経営指針委員会、研究会の場合は、経営指針委員長が突き抜けなければならない。突き抜け方はさまざま。僕にも、もう一段階突き抜けた活動が求められているに違いありません。我が社においては、「突き抜ける人」と「突き刺さる人」の両タイプが必要だと思っています。本気レベルの人が複数名台頭すること。それが組織発展の条件だと思います。