おはようございます。
午前と午後、合わせて5時間くらい、ある試験問題に取り組んだ。僕にとって非常に難しいと思われる設問があった。答はないと思われる設問もある。これをどう採点するのだろう。50問中、39問まで進めることができた。連休中には最後までたどり着きそうだ。午後8時40分、帯広市保健福祉センターへ。1回目のワクチン接種。ほとんど待つことなく、あっという間に接種することができた。9時15分帰宅。
リスクはクスリ
僕らのまわりにリスクは山ほどある。リスクのない人生、リスクのない企業経営というのはあり得ない。
しかし、リスクという言葉の捉え方は人によってずいぶん異なる。「リスク=危険、悪い出来事が起こる可能性」と認識している人にとっては、リスクは回避すべきものとなる。
ビジネスパーソンの場合、リスクに対してネガティブな捉え方をすべきではないだろう。リスクを取って新しいことに挑む。そのような局面が人生には必ずやってくる。そのとき、リスク回避的な行動を選択すると、欲しいものが得られない人生になってしまうに違いない。
リスク(risk)の語源はラテン語のリズカーレ(risicare)であるという。もともとは東方貿易で危険を顧みず一攫千金を狙う船乗りを指していた言葉。ここから「勇気を持って試みる」という意味で使われるようになった。単純に「危ない」のではなく、危険を承知で挑戦することで得られるものがある。リスクは避けるのではなく、挑むべきもの。そう捉え直すべきだろう。
あえてリスクを冒すべきではない。そう考える人も確かに多い。今現在、会社が危機的状況でなかったとしたら、多くの人は「今まで通りの仕事でよいのではないか」と考えるだろう。確かに、今まで通りの仕事のやり方、今まで通りの商品で未来永劫通用するのであれば、無理に変える必要はない。しかし、未来永劫今まで通りでよいとは誰も思っていない。みんな心の中では「変わらなければ」と考えている。
自分、自社を変えるべき時がやってきた。そんなとき、リスクと同時に自分・自社の未来像が浮かぶようになってくる。古い思考にとらわれたり、業界の常識にどっぷり浸かっている体質を変えてくれるもの。リスクはクスリのようなものではなかろうか。そのクスリは鎮痛剤のようなものではなく、かなりの劇薬だ。
平時であれば、少しずつ体質改善を試みるのがよいのかもしれない。しかし、今は世界的な非常事態。数年のうちにビジネス環境も人々のライフスタイルも激変する可能性が高い。改善レベルでは自分、自社を好ましい方向へ変えていくことはできない。リスクを承知で改革を進めていく必要がある。商品のあり方も、仕事の進め方も、組織そのもののも、大きく変わっていくことになるだろう。
リスクとは関係ないが、書いているうちにマトリクスという言葉が頭に浮かんできた。ビジネスのさまざまな場面で、マトリクス図が使われているはずだ。マトリクスの語源もラテン語。「子宮」を意味だそうだが、やがて「何かを生み出すもの」として使われるようになった。
的、すなわち目的が正しく、リスクを恐れずに行動すれば、何かを生み出すことができるに違いない……。一瞬そう思ったが、マトリスクではなく、マトリクスだったな。的外れな仮説であった。
劇薬であることを知った上で、リスクに挑んでいく。リスクを飲み込む。そういう局面が多くの企業に訪れているのではないか? とりわけ、印刷業界のようなレガシー産業には、今が挑むべき絶好の機会といえる。本当に世の中から求められている事業、挑むべき価値のある活動に的を絞っていく必要がある。そこでは慎重さと大胆さの両方が求められる。